脳のひろば 2024年11月号

自閉スペクトラム症とは?

 

こんにちは。

こどもプラス川越 新河岸教室です🌰

 

今回は「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」の話をします。

 

「スペクトラム」とばグラデーションの意味です。自閉症はかってアスペルガー症候群、高機能自閉症などと区別されていましたが、症状の比較的軽いものから重いものまで連続しているという考え方から「自閉スペクトラム症」とひとくくりで呼ばれるようになりました。ASDの特徴として、「コミュニケーション障がい」「同一性の保持」「感覚過敏」がよく知られています。ASDの人は、相手の言葉や表情の裏側を想像する力が弱く、コミュニケーションも円滑に進まないことが少なくありません🤔

 

お子さんの場合は周りの子となじめず独りぼっちになりやすく、大人の場合はいわゆる“空気の読めない人”として扱われてしまうこともあります。「同一性の保持」によりASDの人は変化に弱く、いつも同じ行動を好むため急な予定の変更や環境の変化を極端に嫌い、臨機応変な対応ができません。

 

着る服や目的地に向かう道順など、さまざまな面で自分のルールをかたくなに守ろうとすることもあります。また、聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚といった感覚が、生活に支障をきたすほど過敏になっている人もいます。

 


 

 

自閉スペクトラム症の脳の特徴

 

自閉スペクトラム症をはじめとする発達障がいは病気ではなく、脳の“特性”です。原因はまだはっきりと分かっていませんが、発達障がいの人はコミュニケーション能力に大きく関わる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)島皮質(とうひしつ)などの働きに偏りがあると考えられています。

 

眼窩前頭皮質には、話し言葉以外の表情、声の調子、仕草などが発するメッセージを読み取り、人の気持ちを想像する働きがあります。島皮質は、今の自分は悲しいのか、うれしいのかなど感情をモニタリングする場所です。ASDの人はこうした力が弱いため、他人の気持ちを読み取るだけでなく、自分の感情を顔に出すことや言葉にして表現することが、うまくできずにコミュニケーションを取ることが苦手であると考えられています。同一性の保持や感覚に深く関係しているのはの中でも扁桃体という場所です。人は扁桃体が興奮すると不安になると考えられているのですが、ASDの人は扁桃体が過敏になりやすいと言われています。特に変化が起きた時は不安になりやすく、その不安を避けるためにいつもと同じであることに固執してしまうのです。扁桃体の興奮は同一性の保持だけでなく感覚過敏にも影響を及ぼしています。脳の扁桃体は不安などの情動だけでなく、味覚や嗅覚、触覚など外界からの刺激を直接受け取る場所であり、感覚過敏によって強い偏食傾向を示すことも分かっています。音などにも敏感で電車に乗ることが苦手な人も少なくありません🚊 ASDの人は定型発達の人が感じているよりも大きな刺激を受け止めながら生活しています。

 


 

 

脳の特徴を生かして活躍できる

 

ASDの人は、人の気持ちを想像することや自分の感情を表現することが苦手な反面、感情に流されず論理的に考える力があります👨‍🎓 日本の社会では、“空気を読む”ことが求められる場面も多いですが、それ以上に幸直な意見が求められる場面もあるはずです。感情に流されず本音を言えることも立派な能力だと言えるのではないでしょうか。

 

同一性の保持が強い傾向にあるASDの人は変化が苦手な反面、同じことの繰り返しが苦にならないことも多いようです。また、特定の物事に対してすさまじい集中力を発揮することがあります。つまり、自分の好きな物事に関してはとことん繰り返せるということです。「相対性理論」を提唱したアルバート・アインシュタインもアスペルガー症候群だったと考えられています。アインシュタインは5歳までほとんど話せず、読み書きが苦手で数学以外のことには興味を示さなかったようですが、物理や数学では圧倒的な能力を発揮しました。このように、自分の興味のある分野で並外れた才能を発揮する可能性もあるということです。また、ASDの人は感覚が過敏であることによって普通の人では気付けないささいな変化に気付くこともできます。その特性を利用して芸術面で活躍されている人も多いようです🎹🎨 ASDであってもさまざまな分野で活躍している人はたくさんいます。

 

今回のお話が、ASDの人の特徴やその特徴を生かして活躍できる場所があることを知る人が増えるきっかけになれば幸いです。

 


 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

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