作業療法士による発達支援コラム 2025年4月号

お子さんの食事に関するお悩みについて

~感覚の捉え方の違いとは?~

 

こんにちは。

こどもプラス川越 新河岸教室です🌸

 

今回は、偏食がある、食べ物をよく噛めない、噛まずに飲み込んでしまうお子さんについて、原因や改善するための支援方法をご紹介したいと思います。

 


 

偏食の原因

偏食の原因として考えられるものは、口の中の感覚が過敏で、苦みや辛み、食感に強い不快感を感じることが挙げられます。

逆に、感覚が鈍感である可能性も考えられます。

また、噛む力が弱いことも偏食の原因となります。噛む力が弱いと、食べ物を十分に噛み砕くことができず、飲み込みやすい食材に頼ることが増えます。

 

偏食によるデメリット

栄養が足りていないため、生活習慣病のリスクが高くなります。偏食は、栄養不足だけでなく、食事を通じたコミュニケーションや家族の食事時間にも影響を与えることがあります。

 

食べ物を十分に噛めない、噛まずに飲み込んでしまう原因

食事に集中できていない、空腹感が十分ではない、などの原因から噛む力が発揮されないことがあります。または噛まないで飲み込める柔らかい食べ物(おかゆやゼリーなど)ばかりを普段から食べているため、噛む動作が育っていない可能性も挙げられます。

また姿勢が悪いと、食べ物がうまく飲み込めないことがあります。背中が丸まっていると、食道に飲み込んだものがスムーズに送られない場合があるため、姿勢にも注意して見守りましょう。

 

食べ物を十分に噛めない、噛まずに飲み込んでしまうことによるデメリット

栄養を効率的に吸収できず、必要な栄養が不足することがあります。また、食べ物が気管に入ると、肺に入って感染症や肺炎のリスクが高まる可能性があります。

 


 

偏食を改善するための支援

 

1.好きな食べ物から段階的に移行する
好きな食べ物の食感・味・温度・匂いを売に、段階的に他の食べ物にづけていく方法があります。例えばお子さんの好物がフライドポテトの場合、
フライドポテト→ゴボウの揚げ物→ゴボウの炒め物→ゴボウを使った煮物
というようにお子さんが好きな食感や匂いなどの感覚を利用して、別の食材も食べられるように工夫していくと効果的です。

 

2.形や味を徐々に変化させる
食材を細切りにしたり、短冊切りにしたりとお子さんが食べやすく、好む形を探しましょう。例えば、野菜を星形やハート形に切ることで、お子さんはその食材に対して興味を持ちやすくなります。また、お子さんが好きな味付けから、別の味付けに変化させていく方法もあります。

 

3.お子さんの好物や食べれたものと一緒に食べる
お子さんの好きなメイン料理の副菜に少量の苦手なものを添えて、一緒に食べることを条件付ける方法があります。例えばハンバーグの場合、副菜の味付けもハンバーグのデミグラスソースなどでお子さんの好きな味付けにすると効果的です。

 

4.環境を調節する
食べることに集中できていない、周囲の匂いに敏感な可能性も考えられます。そのため、お子さんが食事に集中できるようにパーテーションを設置したり、普段使っている食器や、お子さんが好む食器を使用することが有効です。

 

5.ガムを使った体操
お子さんがガムを噛むのが初めての場合、最初は少量から始め、ガムの適切な食べ方を説明しながら進めましょう。お子さんがカムを飲み込んでしまわないように注意しましょう。

①ガムを噛む
②ガムを口の中で丸める
③ガムを舌の上に伸ばす
④ガムを膨らませる

 

6.あいうべ体操
この体操では顔の筋肉や口の周りの筋肉を鍛えることができるため、噛む力が強くなります。できるだけ顔の筋肉を大きく動かして体操を行ないましょう。①~④をゆっくり10回繰り返しましょう。朝昼晩、食事の前に1日3セット行なうと口の動きがスムーズになる効果が期待できます。

①「あ~」と言いながら、喉の奥が見える程度に大きく口を開きましょう。
②「い~」と言いながら、前歯が見える程度に大きく口を横に広げましょう。
③「う~」と言いながら、唇を前に突き出しましょう。
④「べ~」と言いながら、舌先を思いきり前へ伸ばしましょう。

 

7.座る時の姿勢を良くするトレーンニング
【手押し車】
①前にいるお子さんの両膝のあたりを持ち、ペースを合わせて前に進みましょう。
②前にいるお子さんが進みながら前を向けるように、声掛けをしながら行ないましょう。
③安定したら片方の足のみを持ち上げてチャレンジしてみましょう。

 

【レスキュー隊ごっこ】
①ロープを跳び箱などの重たいものに取り付け引っ張っても取れない状態にします。
②ロープの先をつかみ、手の力で引っ張りながら前に進みましょう。
③うつ伏せで進む・仰向けで進む、などで難易度を調節しましょう。

 

お子さんの成長には健康的な食生活が欠かせません。しかし、無理やり食べさせることは今後さらに食べられなくなることに繋がる可能性があるため、支援方法には注意が必要で。お子さん達が自分らしく生きていける手助けができるよう、今後も作業療法士のコラムにて情報をお伝えしていきます。日々の療育にお役立ていただけると幸いです。

 

 


 

 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

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