感覚に過敏があるお子さんについて
こんにちは。
こどもプラス川越 新河岸教室です🎃
療育の現場で、大きな音が苦手なお子さんや、
触れられるとすぐに驚いてしまうお子さんはいませんか。
それは、感覚過敏による反応かもしれません。
今回は、この“感覚過敏”について、
基本的な理解と対応方法についてご紹介します。
感覚過敏とは
味覚・聴覚・嗅覚・視覚・固有受容感覚·前庭感覚触覚など、
基本的な感覚のいずれか、または複数に過剰に反応してしまう状態です。
ADHDやASDのお子さんに多く見られ、
感覚の捉え方の違いが、生きづらさに繋がることもあります。
固有受容感覚とは?
体の動きや力の入り具合を感じる感覚。
腕や足がどこにあるか、どれくらいの力で動かしているかがわかります。
前庭感覚とは?
体のバランスや傾き、回転、スピードを感じる感覚。
姿勢を保ったり、転ばないように動く時に大切です。
例えば、私たちには何気ない服のタグのチクチクが、
我慢できないほど不快に感じられたり、
少しの物音でも雷のように大きく聞こえてしまうことがあります。
また、人混みのざわざわした音や照明のましさが耐えられず、
落ち着かなくなってしまうお子さんもいます。
対応方法
●センソリーダイエット
苦手な感覚を減らし、好きな感覚を日常生活に取り入れる方法です。
まずは、お子さんの苦手な感覚を理解することが重要です。
聴覚過敏があるお子さんの例:
イヤーマフやノイズキャンセリング付きイヤホンを使用
前庭感覚が苦手なお子さんの例:
ブランコをゆっくりこぐ
●トレーニング
柳沢運動プログラムも、お子さんの感覚に合わせて取り入れましょう。
1.固有受容感覚が好きな場合の例: ブタの丸焼きでタンバリンタッチ
① ブタの丸焼き姿勢になったら、軽く顎を引いてタンバリンを見ます。
② 片手を離し、タンバリンをタッチします。
③ 常にタンバリンを見ながら、確実にタッチすることを意識します。
④ 離していた手を戻して鉄棒を両手で握り、足から着地します。
⑤ 1回タッチできたら、次は2回、3回と回数を増やして挑戦します。
注意点:必ず大人がそばで支え、落下やバランスの崩れに注意しましょう。
2.触覚が好きな場合の例: ラッココースター
① 2人1組になり、ラッコ役と引っ張る役に分かれます。
② ラッコ役は、仰向けになって膝を曲げます。
③ 引っ張る役は、ラッコ役の膝裏または膝あたりを両手で持ち、
後ろに引っ張って進みます。
注意点:引っ張る際は、スピードを調整し、周囲の安全を確認しましょう。
3.前庭感覚が好きな場合の例: 逆上がり
① 脇が開かないように意識します。
脇をしっかり締めておくと力が入りやすくなります。
鉄棒を握る前に、脇を閉じてから握りましょう。
② 蹴り上げる位置が分からないお子さんには、大人が手で場所を示し、
「この手を蹴るつもりで」と声掛けします。
③ 足を高く上げようとして頭が反り、口が開くと体が伸びて力が入りにくくなります。
顎を引いたまま動かすことで腹筋に力が入り、足も上げやすくなります。
④ 腹筋がうまく使えないお子さんには、顎にハンカチを挟んで行なうと、
顎を引いた姿勢が保ちやすくなります。
注意点:遊ぶ前に周囲の安全を確認し、大人がそばで見守りながら、無理なく行いましょ
う。落下や怪我に注意してください。
●お子さんの好みや苦手を知ることの重要性
例えば、「粘土やスライムが好き」など、
事前にお子さんの好みや苦手を知っておくと対応しやすくなります。
そのためには、日常の様子をよく観察することや、
保護者からの情報収集が大切です。
●評価について
感覚過敏の程度を正しく理解するために、
JSI-Rなどの 質問紙を活用して評価を行うこともあります。
感覚過敏の強さや状況に応じて、適切な評価方法を選びながら、
より良い支援を目指しましょう。
感覚過敏のあるお子さんは、苦手な感覚が多いため、
遊びや行事で逃避行動が見られやすい傾向があります。
そんなときは、まずお子さんの「好きな感覚」から少しずつ取り入れていくことで、
遊びの幅が広がり、周りの人との関わりも自然と増えていきます。
今後も作業療法士のコラムでは、療育に役立つ情報をお届けします。
次回もぜひご覧ください。
柳沢運動プログラムの効果
教室で採用している運動遊び
『柳沢運動プログラム』は、
頭からお尻、そして手や足の先まで
全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸
たとえ小さな成功でも、
運動を通して経験した確実な進歩は
「自己肯定感」の獲得につながります。
「柳沢運動プログラム」は、
運動の発達を促すだけでなく、
お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる
運動遊びなのです!
今回のお話の、さらに詳しい解説や
柳沢運動プログラムについては
こちらの画像からもご覧いただけます🤗
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