作業療法士による発達支援コラム 2025年10月号

感覚に過敏があるお子さんについて

 

こんにちは。

こどもプラス川越 新河岸教室です🎃

 

療育の現場で、大きな音が苦手なお子さんや、
触れられるとすぐに驚いてしまうお子さんはいませんか。
それは、感覚過敏による反応かもしれません。
今回は、この“感覚過敏”について、
基本的な理解と対応方法についてご紹介します。

 

 


 

 

感覚過敏とは

 

味覚・聴覚・嗅覚・視覚・固有受容感覚·前庭感覚触覚など、
基本的な感覚のいずれか、または複数に過
剰に反応してしまう状態です。

ADHDやASDのお子さんに多く見られ、
感覚の捉え
方の違いが、生きづらさに繋がることもあります。

 

固有受容感覚とは?
体の動きや力の入り具合を感じる感覚。
腕や足がどこにあるか、どれくらいの力で動かしているかがわかります。

 

前庭感覚とは?
体のバランスや傾き、回転、スピードを感じる感覚。
姿勢を保ったり、転ばないように動く時
に大切です。

 

例えば、私たちには何気ない服のタグのチクチクが、
我慢できないほど不快に感じられた
り、
少しの物音でも雷のように大きく聞こえてしまうことがあります。

また、人混みのざわざわした音や照明のましさが耐えられず、
落ち着かなくなってしまう
お子さんもいます。

 


 

対応方法

●センソリーダイエット
苦手な感覚を減らし、好きな感覚を日常生活に取り入れる方法です。
まずは、お子さんの苦手な感覚を理解することが重要です。

聴覚過敏があるお子さんの例:
イヤーマフやノイズキャンセリング付きイヤホンを使用

前庭感覚が苦手なお子さんの例:
ブランコをゆっくりこぐ

 

 


 

 

●トレーニング
柳沢運動プログラムも、お子さんの感覚に合わせて取り入れましょう。

 

1.固有受容感覚が好きな場合の例: ブタの丸焼きでタンバリンタッチ
① ブタの丸焼き姿勢になったら、軽く顎を引いてタンバリンを見ます。
② 片手を離し、タンバリンをタッチします。
③ 常にタンバリンを見ながら、確実にタッチすることを意識します。
④ 離していた手を戻して鉄棒を両手で握り、足から着地します。
⑤ 1回タッチできたら、次は2回、3回と回数を増やして挑戦します。
注意点:必ず大人がそばで支え、落下やバランスの崩れに注意しましょう。

 

2.触覚が好きな場合の例: ラッココースター
① 2人1組になり、ラッコ役と引っ張る役に分かれます。
② ラッコ役は、仰向けになって膝を曲げます。
③ 引っ張る役は、ラッコ役の膝裏または膝あたりを両手で持ち、
後ろに引っ張って進みます。

注意点:引っ張る際は、スピードを調整し、周囲の安全を確認しましょう。

 

3.前庭感覚が好きな場合の例: 逆上がり
① 脇が開かないように意識します。
脇をしっかり締めておくと力が入りやすくなります。

鉄棒を握る前に、脇を閉じてから握りましょう。
② 蹴り上げる位置が分からないお子さんには、大人が手で場所を示し、
「この手を蹴るつもりで」と声掛けします。
③ 足を高く上げようとして頭が反り、口が開くと体が伸びて力が入りにくくなります。
顎を引いたまま動かすことで腹筋に力が入り、足も上げやすくなります。
④ 腹筋がうまく使えないお子さんには、顎にハンカチを挟んで行なうと、
顎を引いた姿勢が
保ちやすくなります。
注意点:遊ぶ前に周囲の安全を確認し、大人がそばで見守りながら、無理なく行いましょ
う。落下や怪我に注意してください。

 

 


 

 

●お子さんの好みや苦手を知ることの重要性

例えば、「粘土やスライムが好き」など、
事前にお子さ
んの好みや苦手を知っておくと対応しやすくなります。
そのためには、日常の様子をよく観察することや、
保護
者からの情報収集が大切です。

 


 

 

●評価について

感覚過敏の程度を正しく理解するために、
JSI-Rなどの 質問紙を活用して評価を行うこともあります。

感覚過敏の強さや状況に応じて、適切な評価方法を選びながら、
より良い支援を目指しましょう。

感覚過敏のあるお子さんは、苦手な感覚が多いため、
遊びや行事で逃避行動が見られやすい
傾向があります。
そんなときは、まずお子さんの「好きな感覚」から少しずつ取り入れてい
くことで、
遊びの幅が広がり、周りの人との関わりも自然と増えていきます。


今後も作業療法士のコラムでは、療育に役立つ情報をお届けします。

次回もぜひご覧ください。

 

 


 

 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

画像👈