中高生の就労準備に繋がる活動:梱包作業
こんにちは。
こどもプラス川越 新河岸教室です🎅
今月は、「中高生の就労準備に繋がる活動:梱包作業」についてご紹介します。
運動遊びだけでなく「座って行なう作業」もお子さんの発達に大切な経験となります。
今回は、下之郷教室で行なっている中高生向けの活動 「梱包作業」をご紹介します。
静かな作業の中にも、集中力や手先の操作、感覚の使い方を育む工夫がたくさんありま
す。一見単純に見える作業ですが、一つ一つの動作の中には「確認する」 「揃える」「貼る」など就労に必要な力が多く含まれています。
実は、今皆さんが手に取られているこちらの冊子 【柳沢プログラム】を全国のこどもプラス教室向けに梱包しているのは、放課後等デイサービスに通う中学生・高校生のお子さん達なのです。
就労に向けたスキルアップの活動の一環として行なっています。
梱包作業の流れ
● 数え作業:10冊ずつ数え、互い違いに重ねます。
● 中梱包:納品書と冊子を透明な袋に入れ、そのセットを外袋に入れます。
● 外梱包: 外袋をガムテープで止めます。
一連の流れを、お子さんの特性や性格に応じて分担しています。
梱包作業は活動の一つですが、運動遊びや自由時間、行事とは異なり、「やる気が出ない」 「集中できない」などの課題が出やすい場面でもあります。
ここでは、実際に下之郷教室で起きた事例と、その際に行なった工夫を紹介します。
① 数え間違いをして悩むお子さん
数え作業では、以前は職員が最終確認をしていました。
しかしそれでは、お子さん自身で数を数えても再度間違える可能性があり、自分で確認する機会が減ってしまいます。
そこで、30冊分の重さを秤で測り、お子さん自身に測定してもらう方法を取り入れました。
重さという感覚的な手がかりを使うことで、数の違いを自分で把握できるようになり、「できた!」という実感を得やすくなりました。
このように、正解を教えるのではなく”気付きを引き出す工夫”を取り入れることで、自信や達成感に繋がる支援ができます。
② 動き回ってしまうお子さん
気が散りやすく、数える途中で席を離れてしまうお子さんには、冊子の大きさの紙に、好きな画像と数字を印刷し、その上に冊子を置いていく方法を取り
入れました。
好きなものを取り入れることで、活動に対する興味が高まり、以前よりも長い時間、集中して作業に取り組めるようになりました。
このように、お子さんの興味や感覚の特性に合わせて活動を調整することで、「できた」という体験が増え、活動への意欲も高まります。
③ セロハンテープを貼るのが難しいお子さん
透明な袋をセロハンテープで留める作業では、位置が分かりづらく貼り直しが続くことがありました。そこで、透明袋の上に外袋を重ね、その上からセロハンテープで止める方法に変更しました。色の違いが生まれることで境目が見やすくなり、テープをまっすぐ貼れるようになりました。
このように、課題の中でもお子さんの特性に応じて段階をつけたり、作業の方法を少し変えたりすることで、スムーズに取り組めるようになることがあります。
また、注意欠如・多動症(ADHD)の特性があるお子さんには、座って行なう活動の前に「好きな感覚」を取り入れることが効果的です。
ブランコやハンモックでゆられることで前庭感覚を、柳沢運動プログラムの「操り人形ごっこ」で固有感覚を、を感じることができます。
操り人形ごっこ
① 大人や友達から伝えられた部位を動かしましょう。
② 操る役と人形役に分かれましょう。2人組でも複数人でも良いですが、操る役は1人にしましょう。
③ 手・足・顔・腰など、さまざまな部位を上下・回転などの動きで伝えましょう。
④ 声での指示やジェスチャーをまねして、体を動かしましょう。
こうした活動は、心身を整え、作業に集中しやすい状態をつくります。
一方で、自閉スペクトラム症(ASD)の特性のあるお子さんには、活動の見通しが立つようにすることが大切です。
絵での手順表を用意したり、タイマーで「始まり・中間・終わり」を明確にしたりと、事前の準備が安心に繋がります。
最後に、お子さんごとに特性や作業能力はさまざまです。
しかし、ちょっとした工夫がその子の力を引き出し、「できた」という自信を育むことに繋がります。
こうした小さな工夫の積み重ねが、将来の就労にも生かされていくと考えています。
これからも、療育の現場から”日々の支援に役立つヒント”をお伝えしていきます。
柳沢運動プログラムの効果
教室で採用している運動遊び
『柳沢運動プログラム』は、
頭からお尻、そして手や足の先まで
全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸
たとえ小さな成功でも、
運動を通して経験した確実な進歩は
「自己肯定感」の獲得につながります。
「柳沢運動プログラム」は、
運動の発達を促すだけでなく、
お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる
運動遊びなのです!
今回のお話の、さらに詳しい解説や
柳沢運動プログラムについては
こちらの画像からもご覧いただけます🤗
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