脳のひろば 2024年5月号

協調運動

 

 

こんにちは。

こどもプラス川越 新河岸教室です🎏

「脳のひろば」ではたびたび自分の内部を感じる感覚として「固有覚」と「前庭覚」について解説してきました。どちらも、お子さんの運動発達に非常に重要な役割を持っており、そして多くの場合、これらは他の感覚と統合しながら発達していくとお伝えしました。

今回は、この「さまざまな機能の統合」の結果として行われる「協調運動」についてお話ししていきましょう。

 


 

 

協調運動とは?

 

協調運動とは、文字通り、「何かと何かを協調させて行なう運動」のことを言います。

例えば私達が「縄跳び」をする時、手で縄をリズミカルに回しながら、視覚でタイミングをはかり、両足でジャンプして跳びます🤸‍♀️ この一つひとつの動作は問題なくできたとしても、これらがうまく「協調」していないと、上手に縄を跳ぶことができません。私達の脳は、何気ない動作をする時でも非常にたくさんの情報を処理し、適切に活動してくれているのがわかります。

もう少し詳しいお話をすると、「協調運動」「協調」には、感覚と筋肉の協調だけでなく、筋肉と筋肉の協調も含まれています。お子さんが目の前にあるおもちゃを取ろうと手を伸ばす時、実は「腕を伸ばす筋肉」だけを使っているわけではありません。伸ばす勢いが強くなりすぎないように、また、適切な位置で止められるように、「腕を曲げる筋肉」も働いているのです。このように、「伸ばす」と「曲げる」という正反対の役割を持つ筋肉がうまく協調して働くことによって、滑らかで正確な動作が可能になるのです。

 


 

 

協調運動能力の発達

 

私達の日常生活やお子さん達の園、学校生活は、箸や自転車、鍵館ハーモニカや裁縫など、たくさんの「協調運動」であふれています🎹 しかし、もちろんこれらは最初からスムーズにできるわけではなく、むしろほとんどの場合、最初はうまくいきません。失敗したり成功したりを何度も繰り返しながら、以前にもお伝えした「脳のフィードバック」によって脳に情報が蓄積され、だんだんと上手になっていきます。

しかし、この「協調運動」の発達がどうしてもうまくいかないお子さんもいます。いわゆる「不器用」なお子さんです。

手足の動きや視力、記憶能力にはなんの問題もないのに、それらを組み合わせることが苦手なのです。専門的な言葉では「発達性協調運動障がい」と呼ばれます。

こういった場合、「小脳」の発達と関係が深いとされています。視覚野や運動野は「大脳」にありますので、「小脳と大脳の連絡」がうまくいかない、と言っても良いのかもしれません。先ほどの例のように「目の前のおもちゃを取る」という単純な動作をする間にも、①まず腕を動かすために必要な運動の命令が大脳で作られ、②脊髄と小脳へ送られ、③小脳はその命令に基づいて次の瞬間の体の状態を予測し、④その結果を大脳へと送り返しています。大脳はそれをもとに、①に戻って、更に次の瞬間の命令を作り・・・②→③→④と繰り返されます。止まっているおもちゃを取るだけでも大脳と小脳は何度もやり取りをしているのです。自転車や鍵盤ハーモニカなどの場合は、更に多くのやり取りが必要なのは言うまでもありません。

 

 


 

 

発達性協調運動障がい

 

「発達性協調運動障がい」の認知はまだまだ歴史が浅く、日本の小児科医の間でもこの概念が本当に知られるようになったのは、2013年に名古屋で開催された第110回日本小児精神神経学会で、「子どもの不器用さとその心理的影響~発達性協調運動障がいを中心に~」がメインテーマとして取り上げらてからだと言われています。まだ10年も経っていないのです。

そのため、園や学校などでも「運動」や「不器用」な子として、ただひたすらに練習を繰り返してしまう場合も少なくありません。

 


 

 

●柳沢運動プログラムでは、どのような遊びが効果的か。

 

実は「発達性協調運動障がい」には、正常運動感覚経験を与えていくことが重要であると言われています。できない運動を何度も繰り返すのではなく、お子さんの「できた!」という経験を楽しく積み重ねていくことが大事なのです🏀

当社で取り入れている柳沢運動プログラムは、「運動」でありながら、脳や感覚にさまざまな刺激を与えるように工夫されたプログラムです。

さらに柳澤教授は、脳科学的な結果を追い求めるだけでなく、「お子さんが自ら進んで行ないたくなるようにプログラムを実施することが、一番大事な部分」とも述べています。いくら脳に良い影響があったとしても、お子さんが楽しんで取り組めないと意味がないということですね。

柳沢運動プログラムは、遊びながら運動することで基本的な身体能力が習得できる、そしてその「正常運動感覚経験」が、発達性協調運動障がいを持つお子さん達に良い効果をもたらすことが期待できる素晴らしいプログラムです。

 


 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

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